【就労継続支援B型】就Bの運営指導|指摘事項11選

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就労継続支援B型の運営指導

就労継続支援B型の運営指導(旧実地指導)では、日頃の事業所運営や支援の状況について、さまざまな書類や記録をもとに確認が行われます。

運営指導の通知が届いて、

「どの書類を確認しておけばいい?」

「B型はどんなところを見られるの?」

「今の状態で問題ないだろうか?」

と、慌てて書類を確認される事業所様も少なくありません。

 

運営指導の基本的な流れや、通知が届いてからの準備については、以下の記事で詳しく解説しています。

➡ 【障がい福祉】運営指導(旧実地指導)|通知が来たら何する?

 

就労継続支援B型では、人員配置や個別支援計画、日々のサービス提供記録はもちろん、生産活動や工賃、施設外就労、各種加算の算定根拠など、就労継続支援B型特有の確認事項もあります。

書類そのものは作成していても、必要な記録が不足していたり、実際の運用と書類の内容が合っていなかったりすることで、運営指導の際に指摘につながることもあります。

当事務所では、これまで障がい福祉サービス事業所の運営指導に向けた事前の書類点検に数多く携わり、就労継続支援B型の書類点検や運営指導への対応も経験してきました。

この記事では、これまでの実務経験をもとに、就労継続支援B型の運営指導で指摘されやすい11項目を、チェックリスト形式でご紹介します。

事業所内での自主点検はとても大切ですが正しいと思って続けている運用や書類の間違いは、自分たちだけでは気づきにくいものです。

「うちは大丈夫かな?」と思われた事業所様は、ぜひ現在の運営状況や書類と照らし合わせながら記事を読んでみてください。

 

なお、当事務所の運営指導への対応内容や費用を先に確認したい方は、こちらからご覧いただけます。

➡ 【当事務所がお手伝いできること・ご依頼の流れはこちら】

 

 

1 人員配置

就労継続支援B型の運営指導では、管理者、サービス管理責任者、職業指導員や生活支援員など、基準上必要となる人員が適切に配置されているか確認されます。

また、加算の算定や施設外就労を実施している場合には、通常の人員配置だけではなく、それぞれに必要となる人員が適切に配置されているかについても確認が必要です。

📌運営指導チェックポイント

□ 前年度平均利用者数に応じた適切な人員配置ができていない期間があった

□ 目標工賃達成指導員について、必要な配置ができていなかった

□ 施設外就労を実施しているが、必要な人員配置ができていなかった

□ 食事提供体制加算の算定に必要な調理員が配置できていなかった 等

解説

就労継続支援B型の人員配置は、単純に「職員が足りているか」だけを確認すればよいものではありません。

基本となる人員配置に加えて、算定している加算や事業所の運営状況によって、確認しておかなければならない人員配置があります。

特に、算定している事業所も多い「食事提供体制加算」や「目標工賃達成指導員配置加算」については、それぞれ必要となる人員配置を確認しておく必要があります。

また、「施設外就労」を実施している場合の人員配置にも注意が必要です。

➡ 障がい福祉サービス等事業者の運営指導等について(大阪市)

 

2 従業員関係書類

就労継続支援B型の運営指導では、配置している従業員の雇用関係や実際の勤務状況についても書類をもとに確認されます。

雇用契約書(労働条件通知書)や秘密保持誓約書、資格証、タイムカード、給与台帳など、職員ごとに必要な書類が揃っているか確認しておきましょう。

📌運営指導チェックポイント

□ 有期雇用の職員について、雇用契約の更新ができていなかった

□ 秘密保持について、従業員から必要な誓約書等を取得していなかった

□ 健康診断が必要な職員について、適切に実施されていなかった

□ 勤務実態と雇用契約書やタイムカード等の内容に相違があった 等

解説

運営指導では、職員が在籍しているということだけではなく、雇用関係や勤務実態を確認できる書類が適切に整備されているかについても確認されます。

注意しておきたいポイントの一つが、有期雇用の職員の雇用契約書です。

契約当初はきちんと作成していても、その後の更新を失念し、確認してみると契約期間が切れたままになっているケースがあります。

また、職員は業務上、利用者やその家族の個人情報を取り扱います。

在職中だけではなく、退職後についても秘密保持が必要となるため、採用時に必要な書類を取得し、適切に保管しておくことが大切です。

職員が退職してから書類の不足に気づいても、後から取得することが難しくなる場合があります。

そのほか、職員の勤務状況等によっては、健康診断や社会保険など、関係法令に基づいた対応が必要となります。

職員を採用したときだけ書類を確認するのではなく、契約更新や勤務条件の変更などがあった際にも、必要な書類が整っているか確認しておきましょう。

 

3 個別支援計画とモニタリング

個別支援計画は、利用者一人ひとりの希望や状況を踏まえ、一般就労等に向けた目標や具体的な支援内容を定める、サービス提供の基本となる重要な書類です。

個別支援計画は、単に計画書を作成しておけばよいものではありません。運営指導では、計画書の内容だけではなく、アセスメントや個別支援会議、利用者への説明・同意、モニタリングなど、一連の流れに沿って適切に作成されているか、実際の支援と計画の内容がつながっているかについても確認されます。

また、個別支援計画が適切に作成されていない場合には、「個別支援計画未作成減算」の対象となる可能性があります。

個別支援計画の不備は報酬返還につながる可能性もあるため、特に注意して確認しておきたい項目です。

📌運営指導チェックポイント

□ アセスメントから個別支援計画作成までの一連の手順に不備があった

□ 個別支援計画の作成者が適切ではなく、有効な個別支援計画として認められなかった

□ 個別支援計画への位置づけが必要な支援等について記載されていなかった

□ 個別支援計画について利用者の同意を得ていなかった

□ モニタリングが必要な時期に実施されていなかった 等

解説

就労継続支援B型では、利用者の希望や能力、作業の状況なども踏まえながら支援を行うことになりますが、個別支援計画の内容と実際に行っている支援が繋がっているかも重要です。

運営指導では、個別支援計画だけを確認するのではなく、アセスメントや個別支援会議、モニタリングなどの関連書類を含め、一連のプロセスが適切に行われ、その記録が残されているかについて確認されます。

書類自体は一通り揃っていても、作成の手順や時期、作成体制などに不備があり、指摘につながるケースもあります。

また、加算の算定や特定の支援を行うために個別支援計画への位置づけが必要となる場合には、その内容が適切に反映されているかについても確認しておく必要があります。

個別支援計画やモニタリングの不備は、内容によっては減算や報酬返還につながる可能性があります。

個別支援計画は、ある・なしだけを確認するのではなく、作成過程の記録や実際に行っている支援まで含めて、内容に相違がないか確認しておきましょう。

 

4 サービス提供実績記録票

この書類は、実際に提供したサービス実績を記録し、報酬請求の根拠となる重要な書類です。

運営指導では、サービス提供実績記録票が適切に作成されているかだけではなく、実際の利用状況や他の記録と内容が一致しているかについても確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ サービス提供実績記録票について、利用者による確認印(署名等)がない

□ 実際の利用日や利用時間等と実績記録票の内容に相違があった

□ 送迎記録やサービス提供記録など、他の記録と実績記録票の内容が一致していなかった 等

解説

サービス提供実績記録票で特に注意したいのが、利用者による確認と、実際の利用状況や他の記録との整合性です。

毎月の実績を記録して保管しておくだけではなく、実際の利用状況が正しく記録され、その内容について利用者の確認を得ておく必要があります。

利用者の確認印を後回しにしていると、その後利用がなくなったり、何らかの事情で連絡が取れなくなったりして、後から確認印を得ることが難しくなる場合があります。

利用者の確認がなく、サービス提供の事実を十分に確認できない場合には、報酬返還につながる可能性もあります。利用者からの確認は後回しにしないようにしましょう。

また、運営指導ではサービス提供実績記録票だけを単独で確認するのではなく、サービス提供記録や送迎記録などの関連書類と照らし合わせて確認されることがあります。

実績記録票と他の記録で利用日や利用時間等が異なっていると、実際の利用状況が分からなくなってしまいます。

実績記録票と他の記録との相違は、報酬請求の内容にも影響する可能性があります。

毎月の請求時だけではなく、利用者の確認漏れや他の記録との相違がないかについても確認しておきましょう。

 

5 生産活動と工賃関係

就労継続支援B型では、利用者に生産活動の機会を提供し、生産活動に係る事業の収入から必要な経費を控除した額に相当する金額を工賃として支払うこととされています。

そのため、運営指導では、工賃を利用者に支払っているかということだけではなく、生産活動に係る収入や経費が適切に管理され、その収支に基づいて工賃が支払われているかについても確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ 生産活動に係る収入・経費と工賃の帳簿等が作成されていなかった

□ 工賃の計算方法や支給根拠を確認できる書類が整備されていなかった

□ 工賃規程と実際の工賃の計算・支給方法に相違があった

□ 利用者ごとの工賃支給額や支給実績を確認できなかった 等

解説

生産活動と工賃は、就労継続支援B型の運営指導において特に注意して確認しておきたい項目の一つです。

工賃については、「利用者に毎月支払っているから大丈夫」ということではありません。

生産活動によってどれだけの収入があり、どのような経費がかかっているのか、そのうえで利用者に支払う工賃がどのように算出されているのかについて、書類上確認できる状態にしておく必要があります。

また、工賃規程を作成していても、実際の計算方法や支給方法が規程の内容と異なっている場合には注意が必要です。

運営指導では、生産活動に関する帳簿や工賃の支給記録など、複数の書類を確認しながら、生産活動の収支と実際に支払われた工賃について確認されます。

また、平均工賃月額に応じた報酬体系を選択している事業所では、工賃の実績が基本報酬の区分にも関係します。

令和7年11月28日には、厚生労働省から「指定就労継続支援事業所の新規指定及び運営状況の把握・指導のためのガイドラインについて」が発出されています。

同ガイドラインでは、就労継続支援B型について不適切な事業運営が指摘されていることを踏まえ、既存事業所についても運営状況を把握し、必要な指導を行うことが示されています。

今後、生産活動や工賃については、これまで以上に適切な運営が求められる項目の一つと考えられます。

工賃を支払っているということだけで安心せず、生産活動の収支から工賃の支給まで、一連の流れを書類で確認できる状態になっているか確認しておきましょう。

 

6 運営規程と重要事項説明書

運営規程と重要事項説明書は、事業所の運営に関する基本的な事項を定め、利用者にサービス内容や利用条件等を説明するための書類です。

運営指導では、それぞれの書類に必要な事項が記載されているかだけではなく、運営規程・重要事項説明書・実際の事業所運営の内容が一致しているかについても確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ 運営規程と重要事項説明書の記載内容に相違があった

□ 営業時間やサービス提供時間、従業者数などが現在の運営状況と異なっていた

□ 制度改正や報酬改定等による変更が反映されていなかった

□ 以前から使用している書式をそのまま使用し、必要な記載事項が不足していた

□ 重要事項について、利用者への説明や同意等が適切に行われていなかった 等

解説

運営規程や重要事項説明書は、指定申請の際に作成して終わりではありません。

事業所を運営していると、営業時間、サービス提供時間、算定している加算など、指定を受けた当初から運営内容が変わっていくことがあります。

変更の都度、変更箇所だけを修正していると、いつの間にか運営規程と重要事項説明書で記載内容が異なっていたり、実際の運営状況と合わなくなっていたりすることがあります。

また、制度改正や報酬改定などによって、書類の見直しが必要となることもあります。

運営規程に定めている事項に変更があった場合には、書類を書き換えるだけではなく、指定権者への変更届が必要かどうかについても確認しておくことが大切です。

運営規程や重要事項説明書の不備は、普段の事業所運営の中ではなかなか気づきにくい項目の一つです。

運営指導の前だけではなく、事業所の運営内容を変更したときや制度改正等があった際には、運営規程や重要事項説明書についても見直しておきましょう。

 

7 サービス提供記録と加算根拠資料

就労継続支援B型では、利用者に対して行った支援について、その内容を記録として残しておく必要があります。

運営指導では、単にサービス提供記録が作成されているかだけではなく、利用者がどのように過ごし、どのような生産活動に従事し、事業所がどのような支援を行ったのかが記録から確認できる必要があります。

また、送迎や食事の提供、欠席時の対応などについて加算等を算定している場合には、算定要件を満たしていることが確認できる記録や根拠資料についても、適切に作成・保管しておく必要があります。

📌運営指導チェックポイント

□ サービス提供記録の内容が薄く、利用者の状況や支援内容が確認できなかった

□ 利用者がどのような生産活動に従事し、どのような支援を受けたのか記録から確認できなかった

□ 送迎を行っているが、実際の送迎状況を確認できる記録がなかった

□ 送迎場所が適切ではないにもかかわらず、そのまま加算を算定していた

□ 食事提供体制加算を算定しているが、算定要件を満たしていることを確認できる書類が整備されていなかった

□ 欠席時対応加算を算定しているが、必要な対応や記録に不備があった 等

解説

サービス提供記録は、「その日に利用があった」ということだけを記録するものではありません。

就労継続支援B型では、利用者がどのように過ごしていたのか、どのような生産活動に取り組んだのか、その中でどのような支援を行ったのかなど、実際のサービス提供の内容が記録から確認できることが大切です。

毎日記録を作成していても、記載内容が簡単なものばかりで、利用者の状況や実際に行われた支援が分からない状態になっていることがあります。

また、加算を算定している場合には、それぞれに定められた算定要件を満たしたうえで、そのことを後から確認できる記録や根拠資料を残しておく必要があります。

就労継続支援B型では、送迎や食事提供、欠席時の対応など、日常的に行っている支援について加算等を算定している事業所も多くあります。

普段から行っていることだからこそ、記録が不足していたり、いつの間にか実際の運用と算定要件に相違が生じていたりすることもあります。

「今日は忙しいから記録は明日にまわそう」と、日々の支援に追われて記録が後回しになってしまうと、後から作成した記録と他の書類との整合性が取れなくなり、「実際はどれが正しいのですか?」ということにもなりかねません。

後日まとめて記録を作成すると、どうしても記載漏れや間違いが生じやすくなります。

現場が忙しく、記録までなかなか手が回らないという事情はよく分かります。

それでも、記録はできるだけ後回しにせず、その日の支援内容をその日のうちに残しておくことが大切です。

事業所を守るためにも、日々行っている支援とその記録が一致しているか、また、算定している報酬や加算について事業所自身が正しく理解し、必要な記録や根拠資料を残しておきましょう。

 

8 各種委員会

就労継続支援B型においても、「虐待防止委員会」「身体拘束適正化委員会」「感染症対策委員会」について、必要な体制を整備し、定期的に開催する必要があります。

なお、虐待防止委員会と身体拘束適正化委員会については、一体的に設置・運営することも認められています。

➡ 【障がい福祉】虐待防止・身体拘束適正化委員会とは?

📌運営指導チェックポイント

□ 委員会を設置しているが、必要な頻度で開催されていなかった

□ 委員会は開催しているが、議事録が作成・保管されていなかった

□ 職員の入退職等により委員会の構成員が変わっているが、以前の構成員のままになっていた

□ 検討すべき事案が発生しているにもかかわらず、委員会が機能していなかった

□ 議事録は作成していたが、大切に保管されているだけで、職員への周知が行われていなかった 等

解説

各種委員会については、

「義務化されたときに一応作りましたが、実際に何を話し合えばいいのか分からず、形だけになっています」

というご相談をよく受けます。

そのような場合には、「なぜこの委員会が必要なのか」という趣旨からご説明し、それぞれの委員会でどのようなことを検討し、事業所の運営にどう活かしていくのかをお伝えしています。

すると、「そういうことだったんですね。今後はそうしていきます」と、すっきりされる事業所様も少なくありません。

各種委員会は、開催して議事録を作成すれば終わりというものではありません。

委員会の趣旨を理解すると、事業所で何について話し合い、どのような取組につなげていけばよいのかも自然と見えてきます。

運営指導をきっかけに、「とりあえず作っている委員会」から、実際の事業所運営に活かせる委員会になっているか見つめ直してみるのもよいかもしれません。

また、各種委員会に関して必要となる取組は、委員会の開催だけではありません。指針の整備や担当者の選任、職員への研修など、それぞれ必要な措置を講じる必要があります。

運営指導では、これらの取組が適切に行われているかについて、議事録や研修記録などの書類をもとに確認されます。

特に注意したいのが、必要な措置を講じていない場合に減算の対象となるものがあることです。

「委員会を開催していなかった」という指摘だけで終わらず、本来減算すべき期間について通常どおり報酬を請求していた場合には、報酬返還につながる可能性もあります。

委員会は一度体制を整えれば終わりではありません。

職員の入退職等による体制の変更も含め、委員会の開催状況や議事録、指針、研修など、必要な取組が継続して行われているか定期的に確認しておきましょう。

 

9 法定研修

就労継続支援B型では、事業所の職員に対して実施が必要となる研修があります。

虐待防止や身体拘束適正化、感染症対策、BCP(業務継続計画)など、事業所に求められる取組は増えており、それぞれについて必要な研修を適切に実施していく必要があります。

運営指導では、「研修をやっています」ということだけではなく、必要な研修が適切な時期に実施され、対象となる職員が受講していることを記録から確認できるかについても確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ 年間研修計画が作成されておらず、必要な研修を把握できていなかった

□ 実施が必要な研修が行われていなかった

□ 研修は実施していたが、実施記録や研修資料等が残されていなかった

□ 一部の職員が研修を受講しておらず、未受講のままになっていた

□ 新しく入職した職員について、必要な研修が実施されていなかった 等

解説

研修については、

「毎月研修をやっています!だから多分大丈夫だと思いますが、不安です」

「たくさん研修をしないといけないのは分かっているのですが、何をすればいいのか正解が分からなくて心配です」

というお話を事業所様から聞くことがあります。

実際に確認してみると、支援力向上のための研修をたくさん実施してくださっている一方で、必須となっている研修が不足していたり、必要な回数を実施できていなかったりすることもあります。

せっかくたくさんの研修を実施していても、必要な研修が抜けてしまっていてはもったいないですよね。

制度改正等によって事業所に求められる取組も増えているため、その都度対応していると、何の研修を実施したのか、まだ実施できていない研修は何なのか分からなくなってしまうこともあります。

そのため、年間研修計画を作成し、事業所で必要となる研修を整理したうえで、計画的に実施していくことが大切です。

また、研修を実施したら終わりではありません。

職員の入退職もあるため、「事業所としては研修を実施したけれど、この職員は受けていない」ということがないよう、職員ごとの受講状況についても確認しておく必要があります。

さらに、新しく入職した職員に対して実施が必要となる研修もあるため、研修の管理はより分かりにくくなります。

そして、研修を実施した際には、その内容や受講者等について記録を残しておくことも重要です。

実際に研修を行っていたとしても、そのことを確認できる記録が残されていなければ、運営指導の際に実施状況を確認してもらうことができません。

また、必要な研修等が実施されていない場合には、内容によっては指摘だけではなく、減算につながる可能性もあります。

「研修はやっているから大丈夫」ではなく、必要な研修に漏れがないか、対象となる職員が受講できているか、その記録が残っているかまで確認しておきましょう。

 

10 BCP(業務継続計画)

BCP(業務継続計画)とは、感染症や災害などが発生した場合でも、必要な障がい福祉サービスをできる限り継続して提供できるよう、あらかじめ対応方法等を定めておくものです。

就労継続支援B型においてもBCPの策定が義務付けられており、計画を作成するだけではなく、研修や訓練など必要な取組を継続して実施していくことが求められています。

運営指導では、BCPが策定されているかだけではなく、策定後に必要な取組が行われているかについても確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ BCPが策定されていなかった

□ 感染症と災害のいずれか一方のBCPしか策定されていなかった

□ BCPに必要な研修や訓練が実施されていなかった

□ BCPを策定したままになっており、内容の見直しが行われていなかった 等

解説

BCPについても、

「計画は作ったけれど、その後は何をしたらいいのか分からない」

「避難訓練は毎年やっています!それで大丈夫ですよね?」

といったご相談を受けることがあります。

感染症BCPと感染症対策に関する取組、災害BCPと避難訓練などを混同されている事業所様もありますが、それぞれの目的や必要となる取組を整理しておくことが大切です。

BCPは、感染症のまん延や災害等によって通常どおりの事業運営が難しくなった場合に、限られた人員や設備等の中でどのように必要なサービスを継続し、その後どのように通常の運営へ戻していくのかをあらかじめ考えておくものです。

就労継続支援B型であれば、職員が通常どおり出勤できない、利用者の通所が難しくなる、生産活動を通常どおり行えなくなるなど、さまざまな状況が考えられます。

例えば、

「利用者に提供している食事が、給食業者から届かなくなったらどうする?」

「公共交通機関が復旧しておらず、出勤できる職員が限られていたらどうする?」

こうした状況になったときに、「その時はその時!なるようになるさ!」ではなく、事業所としてどう対応するのかをあらかじめ考えておくのがBCPです。

そして、実際にそのような状況になったとき、作成したBCPを見て対応できるのかという視点も重要です。

BCPは、一度作成してファイルに保管しておけば終わりというものではありません。

研修や訓練を通して実際に動いてみることで、「この方法では対応できない」「ここを決めておかないと困る」と気づくこともあります。

そのような気づきをBCPの見直しにつなげ、実際の事業所の状況に合った計画にしていくことが大切です。

単に運営指導のために形だけ整えるのではなく、実際に感染症や災害が発生した場合に使えるBCPになっているか、事業所全体で確認しておきましょう。

 

11 在宅支援と施設外就労

就労継続支援B型では、在宅での支援や、事業所以外の場所で作業を行う施設外就労を実施している事業所も少なくありません。

在宅支援や施設外就労は、通常の事業所内での支援とは異なる要件が定められているため、「ちゃんと支援をしているから大丈夫」ではなく、必要な要件を満たして適切に運用できているか確認しておくことが重要です。

運営指導では、実際の運用状況や人員配置、必要な記録等について確認されます。

📌運営指導チェックポイント

□ 在宅支援を実施しているが、市町村に在宅支援の申請をしていなかった

□ 在宅支援のために、事業所に求められている対応を行っていなかった

□ 在宅支援の訓練内容や支援内容を確認できる記録が不足していた

□ 施設外就労を実施しているが、必要な人員配置ができていなかった

□ 施設外就労について必要な書類や記録が整備されていなかった

□ 個別支援計画に必要な記載がなかった 等

解説

在宅支援や施設外就労についてご相談を受けていると、

「事業者ハンドブックを買って自分で調べようと思ったんですが、難しくて読むのを諦めました」

と、ほぼ真っさらな状態のハンドブックを見せてくださる事業所様もいらっしゃいます。

在宅支援や施設外就労に関する通知等には、とても大切なことが書かれていますが、読み解くのが難しい部分もあります。

そのため、「これできっと大丈夫」と、なんとなくで運用してしまうと、後から報酬返還につながる可能性もあるため注意が必要です。

「他の事業所もこうしているから」という理由だけで、そのまま同じ運用をすることもおすすめできません。

特に在宅支援は、新型コロナウイルス感染症のまん延をきっかけに身近な支援方法となりましたが、利用者の作業状況を直接目で見て支援できないということは、通所による支援とは異なる対応が必要になるということです。

そのため、在宅で利用者に支援を行っていれば、それだけで通常の通所と同じように報酬を算定できるというものではありません。

在宅支援を実施するために必要となる手続きや、事業所として行うべき対応があり、実際にどのような訓練や支援を行ったのかについても、記録から確認できるようにしておく必要があります。

施設外就労についても、利用者が事業所以外の場所で作業をしていればよいというものではありません。

人員配置や個別支援計画、必要な書類や記録など、実際の運用を含めて確認しておく必要があります。

「ちゃんと利用者さんを支援しているから大丈夫」と思っていても、制度上必要となる要件を満たしていなければ、運営指導で指摘を受ける可能性があります。

また、在宅支援や施設外就労については減算規定がないため、要件を満たしていなかった場合に、単に「減算すればよい」というものではありません。

算定要件を満たしていない場合には、その支援に係る報酬の算定が認められず、返還につながる可能性もあるため、特に注意が必要です。

在宅支援や施設外就労を実施している事業所様は、実際に行っている支援だけではなく、必要な手続きや人員配置、個別支援計画、日々の記録などについても、一度整理して確認しておきましょう。

 

「で、うちは大丈夫ですか?」というご相談

ここまで就労継続支援B型の運営指導で確認しておきたい事項をご紹介してきました。

実際に事業所様からご相談を受けて、一通りお話を伺ったあとによく聞かれるのが、

「で、うちは大丈夫ですか?」

というご質問です。

「書類は一通り作っているし、研修や委員会もやっている。利用者さんへの支援もちゃんとしている。でも、これが正しいのか分からないし、今さら聞けない」

という不安を持たれている事業所様は少なくありません。

就労継続支援B型では、人員配置や個別支援計画、日々のサービス提供記録だけではなく、生産活動と工賃、各種加算、在宅支援や施設外就労など、事業所の運営状況に応じて確認しておかなければならない事項が数多くあります。

そして、これらは一つひとつを別々に確認すればよいというものでもありません。

「この加算を算定しているから、この対応が必要になる。そうすると、こちらの書類にもその内容が反映されていなければおかしい」

というように、それぞれが関連していることも多く、全体をつなげて確認する必要があります。

また、実施している支援によっては基準人員とは別に必要となる人員配置があり、実際にその職員が勤務していたことを確認できる記録も必要になります。

人員配置や実際の支援、報酬請求の内容と、それを裏付ける書類や記録がきちんとつながっているかという視点が大切です。

そして、自分たちでは「これで大丈夫」と思っていることは、人から指摘されない限り、何度自分たちで見直しても、その間違いに気づきにくいのが現実です。

実際に第三者が確認することで、

「え!?これで合っていると思っていました。運営指導の前に気づけて良かったです」

という問題点が見つかることもあります。

運営指導のためだけではなく、今後も安心して事業所を運営していくために、一度第三者の視点から現在の書類や運営状況を確認してみることも大切だと思います。

 

当事務所がお手伝いできること

運営指導では、今回ご紹介した項目以外にも、事業所の運営状況や算定している加算、実施している支援等に応じて、さまざまな書類や記録について確認が行われます。

当事務所では、就労継続支援B型の運営指導に向けて、実際の書類と事業所の運営状況を照らし合わせながら事前点検を行っています。

また、運営指導の通知が届いた場合には、事前準備から運営指導当日の立ち会いまで対応しています。

ご依頼の流れ

① お問い合わせ・ご契約

お問い合わせ後、現在の状況や運営指導の実施予定などをお伺いし、サポート内容をご説明したうえでご契約となります。

② 運営指導通知の確認

運営指導の通知書を確認し、実施日、事前提出書類、当日準備が必要な書類などを確認します。

③ 1回目の訪問・事前提出書類の確認

事業所を訪問し、事前提出書類を中心に内容を確認します。行政への提出前に確認を行い、必要な準備を進めます。

④ 2回目の訪問・運営指導に向けた最終確認

運営指導当日に確認される書類や運営状況などを確認し、当日に向けた準備を行います。

⑤ 運営指導当日の立ち会い

原則として、運営指導当日は行政書士が事業所に伺い、立ち会います。

ただし、他の業務等との日程の都合により、立ち会いができない場合があります。

 

※原則として事前訪問は2回を予定しています。事業所の状況等により3回目以降の訪問が必要となる場合は、別途料金が発生します。

 

ご依頼いただいた事業所様からのお声

運営指導終了後に、

「事前に見てもらっていたので、落ち着いて当日を迎えることができました。お願いして良かったです」

「初めての運営指導で心細かったので、一緒にいてもらえるだけでも心強かったです」

といったお声をいただくことがあります。

特に初めての運営指導では、どのようなことを聞かれるのか、どの書類を確認されるのか分からず、不安を感じる方も少なくありません。

事前に書類や運用状況を確認して必要な準備を行い、当日の立ち会いまでサポートすることで、少しでも安心して運営指導を迎えていただけるよう対応しています。

運営指導の通知が届く前の書類点検

運営指導について、

「通知が届いてから準備すればいい」

と考えている事業所様もあるかもしれません。

しかし、指定権者によって運営指導の実施方法は異なり、メールで通知が届き、事前提出書類の提出を求められることなく、通知から1週間程度で運営指導が実施されるケースもあります。

メールの確認が遅れ、気づいたときには運営指導の直前だった、ということもあり得ます。

また、障がい福祉サービスは、報酬改定等により加算の算定要件や運営上必要となる対応が変わることがあります。

運営指導の直前になって慌てて書類を確認するのではなく、当事務所では、通知が届いていない段階での定期的な書類点検もおすすめしています。

「自分たちでは一通り確認したけれど、本当にこれで合っているのだろうか?」

少しでもご不安がある場合には、運営指導の通知が届く前に、一度事業所の運営状況や書類を確認してみませんか?

また、顧問先の事業所様には、定期的な書類点検のほか、報酬改定等に関する情報提供も行っております。

運営指導・書類点検の料金

運営指導の通知が届いた後の直前対策や、通知が届く前に行う書類点検を承っております。

【通知後】運営指導・書類点検(直前対策):198,000円~(税込)

※事業所の規模やサービス種別等により料金が異なります。

詳しいサポート内容やその他の料金については、以下のページをご確認ください。

➡ 運営指導・書類点検の料金はこちら

※運営指導における指摘事項の有無や内容について、結果を保証するものではありません。

まずは、電話かメールにてお気軽にお問い合わせください。

 

この記事を書いた人
古山紀子 顔写真

行政書士 古山 紀子
行政書士未来法務事務所 代表
行政書士登録番号 第19260974号
令和元年5月1日 行政書士登録

行政書士登録以前から障がい福祉分野に携わり、障がい福祉サービス事業を専門に、指定から運営指導までサポートしています。

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