障害福祉サービス等処遇改善加算を詳しく解説! ~制度趣旨や対象者について~

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事業所へ訪問し、現在の加算の取得状況をお伺いすると、多くの事業所で挙がるのがこの「障害福祉サービス等処遇改善加算」です。

しかし、一定数の事業所では「加算はよく分からなくて怖いから、何も取っていない」ということもあるようです。

処遇改善加算は取っているけどもルールを分かっていないという事業所さんや、まだ加算を取得していないという事業所さんのために、この加算について解説したいと思います。

また、令和3年度の報酬改定で、対象者が少し変わりましたので、そちらの話も併せてさせていただこうと思います。

➡ 福祉・介護職員処遇改善加算等に関するQ&A(令和3年3月29日)

 

福祉・介護職員処遇改善加算とは?

処遇改善加算は、障がい福祉サービスに従事する職員(直接支援)の更なる賃金改善に充てることを目的として創設され、基本サービス費に加算・減算を加えた1月当たりの総単位数に、サービス別加算率を乗じた単位が算定されます。

 

ここで注意しないとダメなのは、法人の人件費負担を軽減することが目的では無いということです。

今まで法人が支払っていた給料や手当の一部の原資に、処遇改善加算を当てることは違うということで、今までのお給料やボーナスに「上乗せ」をして従業員へ還元してくださいというものなんです。

福祉業界の離職率が高い理由の一つに、仕事の内容の大変さに比べて、賃金が低い水準であるということが挙げられます。

処遇改善加算を取得するためには、障がい福祉サービスに従事する職員の資質・待遇の向上や職場環境改善等を整備する必要があります。

賃金面だけでなく、働きやすい職場環境を整えて、良い人材を確保するためには必要な加算と言えるのではないでしょうか。

また、福祉の現場で働かれている職員さん達は、この加算の存在をご存じですので、処遇改善加算を取得しているかどうかで、求人に応募するかどうかを決められることもあると聞きます。

 

処遇改善加算取得と実績報告

処遇改善加算を取得するためには、届出が必要となります。

この処遇改善加算は4月から翌年3月までの一年度だけ有効となる加算で、処遇改善加算を翌年度も引き続き取得するのであれば、毎年2月~4月頃に更新の手続きが必要になります。

そして、加算取得の翌年度の7月に、従業員への還元が出来ている事を報告する「実績報告」が必要となることも注意しましょう。

  • 毎年2月~4月の間に更新の手続きが必要
  • 取得の翌年度の7月に実績報告を提出する

 

処遇改善加算の対象サービスと加算率は?

処遇改善加算は、残念ながらすべてのサービスが対象という訳ではありません。

就労定着支援、自立生活援助、相談支援は対象外となっています。

 

キャリアパス要件について

処遇改善加算(Ⅰ)を取得するためには、キャリアパス要件Ⅰ~Ⅲのすべてを事業所で整備する必要があります。

キャリアパス要件Ⅰ

次の3つすべての基準を満たす

  1. 福祉・介護職員の任用における職位、職責または職務内容等の要件を定めている。
  2. 職位、職責または職務内容等に応じた賃金体系を定めている。
  3. 就業規則等の明確な根拠規定を書面で整備し、全ての福祉・介護職員に周知している。

 

キャリアパス要件Ⅱ

福祉・介護職員の資質向上の目標と、研修機会の提供や能力評価、職員の資格取得の仕組みを事業所が整備し、このことを全ての福祉・介護職員に周知している。

 

キャリアパス要件Ⅲ

福祉・介護職員について、経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組みまたは、一定の基準に基づき定期昇給を判定する仕組みを設け、全ての福祉・介護職員に周知している。

 

サービス別の加算率は?

サービス区分 処遇改善加算Ⅰ 処遇改善加算Ⅱ
居宅介護 27.4% 20.0%
重度訪問介護 20.0% 14.6%
同行援護 27.4% 20.0%
行動援護 23.9% 17.5%
生活介護 4.4% 3.2%
短期入所 8.6% 6.3%
就労移行支援 6.4% 4.7%
就労継続支援A型 5.7% 4.1%
就労継続支援B型 5.4% 4.0%
共同生活援助(介護サービス包括型) 8.6% 6.3%
児童発達支援 8.1% 5.9%
放課後等デイサービス 8.4% 6.1%
保育所等訪問支援 8.1% 5.9%

 

職場環境等要件について

処遇改善加算を取得するためには、職場環境等要件の6区分のうちから1区分を選び、そのうちの1つ以上を賃金改善期間中(当該処遇改善加算を取得する期間)に取り組む必要があります。

合理的な理由で、取り組むことが困難な場合は、その理由を明記する必要がありますので、確実に取り組めるものを選ぶようにしましょう。

 

処遇改善加算の対象となる職種は?

処遇改善加算は、事業所で働く従業員すべてへ支給することが可能なわけではありません。

また、令和3年度の報酬改定で、支給可能な職員が変わった点にも注意する必要があります。

支給可能な職種
ホームヘルパー(サ責含む)、生活支援員、児童指導員、保育士、障がい福祉サービス経験者(令和5年3月31日まで対象)、世話人、職業指導員、地域移行支援員、就労支援員、訪問支援員、夜間支援従事者、賃金向上達成指導員、目標工賃達成指導員、児童指導員加配のその他従業者

➡ 令和3年度報酬改定 ~放課後等デイサービス・児童発達支援~

 

よくある質問

Q1 管理者、サビ管、児発管に処遇改善手当を支給しても良いですか?

A1 管理者やサビ管、児発管は直接支援をする方たちではありませんので、処遇改善加算の対象とはなりません。この他、専任の運転手や事務員、児童指導員加配では無いその他従業者も、処遇改善加算の対象ではありませんのでご注意ください。

これらの方々へ支給したい場合は、特定処遇改善加算を取得することをおススメいたします。

 

Q2 運営法人の役員が生活支援員をしています。処遇改善加算は支給出来ますか?

A2 処遇改善加算は、福祉・介護職員の賃金改善のために創設された加算のため、役員報酬は賃金では無いため、例え直接支援をされていても対象者とはなりません。

 

福祉・介護職員特定処遇改善加算とは?

特定処遇改善加算は、処遇改善加算を取得している事業所の更なる賃金改善を目的として創設された加算です。

更なる賃金改善が目的なので、加算の入金額は全額対象職員へ支給する必要があります。

1年度のみの加算で、2月~4月頃に更新の手続きが必要で、7月に実績報告をしないといけないなどの、手続き上のルールは処遇改善加算と同じです。

 

特定処遇改善加算の対象サービスと加算率は?

特定処遇改善加算の対象サービス

特定処遇改善加算は、処遇改善加算を取得していることが前提となりますので、就労定着支援、自立生活援助、相談支援は対象外となります。

 

特定処遇改善加算の加算率

サービス名 特定処遇改善加算Ⅰ 特定処遇改善加算Ⅱ
居宅介護 7.0% 5.5%
重度訪問介護 7.0% 5.5%
同行援護 7.0% 5.5%
行動援護 7.0% 5.5%
生活介護 1.4% 1.3%
短期入所 2.1%
就労移行支援 1.7% 1.5%
就労継続支援A型 1.7% 1.5%
就労継続支援B型 1.7% 1.5%
共同生活援助 1.9% 1.6%
児童発達支援 1.3% 1.0%
放課後等デイサービス 1.3% 1.0%
保育所等訪問支援 1.1%

 

特定処遇改善加算の取得要件

共通要件

  • 処遇改善加算を取得していること
  • 職場環境要件の6区分のうち3区分を選択し、それぞれ1つ以上を賃金改善期間中に取組む
  • 見える化要件の実施(WAMネット、自社HP、事業所の外等での取組み内容の公表)

特定処遇改善加算Ⅰ

  • 特定事業所加算を算定している(訪問系)
  • 福祉専門職員配置等加算を算定している

支給対象職員のグループ分けと定義

特定処遇改善加算を難しそうと敬遠される理由の一つが、このグループの定義とグループ分けではないでしょうか?

A~Cの3つのグループに、事業所の職員を振り分けていきます。

A  経験・技能のある障害福祉人材

1.次の資格を持っていること

  • 介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、保育士
  • 心理指導担当職員(公認心理師を含む)
  • サービス管理責任者
  • 児童発達支援管理責任者
  • サービス提供責任者

2.勤続年数や、他法人での経験、職員の業務量などを踏まえて、法人の裁量で設定する。

 

B 他の障害福祉人材

Aグループに該当しない直接処遇職員がこのBグループに該当します。

例として挙げると、児童指導員やその他従業者だけでなく、法人でAグループの定義を

  • 5年以上の経験がある児童発達支援管理責任者
  • 介護福祉士の資格を持つサービス管理責任者

とした場合、児発管に就任したばかりの方や、ヘルパーでサビ管になっている方は、AではなくBグループになるというわけですね。

C その他の職種

障害福祉人材以外の職種の方がこのCグループになります。

例えば、送迎の運転手、事務職員、調理員のみを行い、直接処遇をされない方です。

特定処遇改善加算を支給するグループを決める

事業所の職員をグループ分けしたら、次はどのグループに特定処遇改善加算を支給するかを決めて行きましょう。

特定処遇改善加算は、処遇改善加算と違い加算率が高くありません。

ですので、Aグループだけに支給するということでも差し支えありませんが、逆に、AとBに支給せずCグループのみに支給するということは、制度の趣旨から出来ません。

 

 

障害福祉サービス等処遇改善加算の取得を当事務所にご依頼されませんか?

「処遇改善加算を取得しないと、従業員が集まらない。」

「従業員から処遇改善加算を取って欲しいと言われた。」

というような事で悩まれ、当事務所にご相談される事業所様が多くいらっしゃいます。

取得するぞと思われても、キャリアパス要件がよく分からなかったり、その後どうしたら良いのかが分からない。

このような事でお困りでしたら、一度当事務所にご相談されませんか?

先ずは、電話かメールにてご連絡ください。

 

障害福祉サービス等処遇改善加算取得サポート料金

手続き サポート料金(税込) 備考
処遇改善加算(Ⅰ) 新規 55,000円~ 指定権者数により増額あり
区分の変更 (Ⅱ)・(Ⅲ) → (Ⅰ) 33,000円~ 指定権者数により増額あり
特定処遇改善加算(Ⅱ) 新規 55,000円~ 指定権者数により増額あり
ベースアップ等支援加算 新規 44,000円~ 指定権者数により増額あり

※処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ等支援加算を同時取得でご依頼いただく場合は、セット割引の適用あり。

 

 

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