令和3年度報酬改定 ~就労継続支援B型~ 基本報酬が2つの類型になりました

記事更新日:

令和3年度の報酬改定で、大きな改定があったサービスの一つがこの就労継続支援B型です。

従来とはどのように変わったのか、簡単に概要をご説明させて頂こうと思います。

 

➡ 令和3年度障害福祉サービス等報酬改定について

 

多様な就労支援ニーズに対応するための報酬体系の類型化

従来の就労継続支援B型では、基本報酬は前年度の平均工賃月額に応じて支給されていましたが、令和3年度より「平均工賃月額に応じた報酬体系」に加えて平均工賃月額に縛られない「利用者の就労や生産活動等への参加等」を評価する報酬体系が新設されました。

 

〇平均工賃月額に応じた報酬体系(従来型)

従来型の平均工賃月額に応じた基本報酬体系についても見直しが行われています。

  • 高工賃を実現する事業所は、基本報酬において更に評価されるようになりました。
  • 基本報酬の区分が7段階から8段階になり、よりきめ細かく実績が反映される事となりました。

従来は、平均工賃月額が5千円未満が一番低い区分でしたが、令和3年度からは平均工賃月額が1万円未満が一番低い区分となり、2万5千円未満まで、5千円刻みで基本報酬が変わるように改定がなされました。

平均工賃月額が1万円を超えても、次が2万円以上を目指す必要があり、なかなか高い壁だったのが5千円刻みとなった事で、高工賃を目指す事業所にとっては嬉しい改定だったのではないでしょうか。

なお、従来通りの平均工賃月額に応じた報酬体系を選択される事業所は、工賃向上計画を作成し指定権者への提出が必要ですのでその点にご注意ください。

 

令和2年度まで 令和3年度から(令和3年4月1日から)
平均工賃月額 基本報酬 平均工賃月額 基本報酬
4.5万円以上 649単位/日 4.5万円以上 702単位/日
3万円以上  4.5万円未満 624単位/日 3.5万円以上  4.5万円未満 672単位/日
3万円以上   3.5万円未満 657単位/日
2.5万円以上 3万円未満 612単位/日  2.5万円以上  3万円未満  643単位/日
2万円以上  2.5万円未満 600単位/日 2万円以上   2.5万円未満 631単位/日
1万円以上  2万円未満 589単位/日 1.5万円以上  2万円未満 611単位/日
1万円以上   1.5万円未満 590単位/日
5千円以上  1万円未満 574単位/日 1万円未満 566単位/日
5千円未満 565単位/日

(従業員配置7.5:1、定員20人以下の場合の単位)

 

一般就労への移行の促進

  • 従来どおりの「平均工賃月額」に応じた報酬体系を選択した事業所において、一般就労への移行を促進していく観点から、就労移行支援体制加算を充実するために見直しが行われました。
  • 就労移行連携加算(新設)1000単位が新設されました。こちらは1回に限り算定することが出来ます。
  • 一般就労への移行促進を見込み、就労継続支援の福祉専門職員配置等加算における有資格者として作業療法士を新たに評価されるようになりました。

 

〇利用者の就労や生産活動等への参加等を評価する報酬体系(新設)

こちらは令和3年度より新設された報酬体系で、利用者の特性によって高い平均工賃月額を目指すことが難しい事業所が、平均工賃月額ではなく、地域との協働などを行い、その様な活動が評価される報酬体系となっています。

定員 基本報酬
20人以下 556単位/日

単位だけを見ると、令和2年度までの5千円未満で565単位/日よりも下がったように見えますが、後述する新設された『地域協働加算』(30単位/日)を取得する事で586単位/日となり、従来の1万円以上2万円未満の589単位/日とほぼ同水準となる事になります。

 

地域協働加算(新設) 30単位/日

こちらの加算は、新設された「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系を選択した場合(平均工賃月額では無い方)にのみ取得出来る加算です。

地域協働加算は、利用者の働く意欲に応えつつ、就労を通じた地域での活躍の場を広げる取り組みとして、就労や生産活動の実施にあたり、地域や地域住民と協働した取り組みを実施する事業所を評価する加算で、この加算を取得するためには以下の点に注意が必要です。

  • 原則、事業所の所属する市町村や近隣自治体と協働した取り組み
  • 生産活動の一環としての取り組みであり、生産活動収入が発生する地域活動
  • 加算を算定する月ごとに、報酬請求日までに事業所のホームページ等で対象となる取り組みを公表

 

ピアサポート実施加算(新設) 100単位/月

こちらも「利用者の就労や生産活動等への参加等」をもって一律に評価する報酬体系を選択した場合(平均工賃月額では無い方)にのみ取得出来る加算です。

地域生活支援事業として行われる「障害者ピアサポート研修(基礎研修および専門研修)」を修了した障がい者(障がい者であったと都道府県、指定都市、中核市が認める者を含む)と管理者等を配置して、利用者に対して支援を行った場合に算定することが出来ます。

 

施設外就労加算の廃止

高工賃を実現させるために、多くの事業所が実施し取得していた施設外就労加算が令和3年度より廃止されました。

施設外就労加算が廃止されたのは、事業所さんにとっては痛いと思いますが、施設外就労が出来なくなったわけではありませんので、従来どおり必要な手順を踏んで施設外就労を行ってください。

 

在宅でのサービス利用の要件緩和

在宅でのサービス利用について、新たな生活様式の定着を見据え、本人の希望や特性を踏まえつつ、更に促進するため、令和2年度に限って新型コロナウイルス感染症への対応として臨時的に要件緩和した取扱いを、令和3年度以降は常時の取扱いとすることとなりました。

具体的には、利用者が在宅でのサービス利用を希望することが前提で、在宅での支援効果が認められ、受給者証に在宅での利用について記載のある方が新型コロナウイルス感染症対策に関係なく、在宅でのサービス利用が可能となります。

また、在宅でのサービス利用と事業所でのサービス利用を併用することも可能であるため、障害特性によりあまり事業所へ来ることが困難であった利用者も、就労継続支援B型のサービスを利用しやすくなったと言えます。

在宅でのサービス利用は、サービスの質の担保がしっかりとなされているのかが重要なポイントであり、それを証明出来るように、記録の整備を心掛けるようにしてください。

 

➡ 就労継続支援B型の開業について

 

最後に…

就労継続支援B型は、令和3年度の報酬改定で「多様な支援の仕方に対応できるように改定された」と言えます。

高工賃を実現すべく努力されている事業所には、今まで以上に手厚い基本報酬となり、評価が細分化されたことによりモチベーションの維持も図られることになりました。

また、今までは生活介護に近い利用者や特性であまり事業所に通えない利用者を受入れることによって、平均工賃月額が上がらずにご苦労をされてきた事業所にも活路が見出された形になりました。

障害福祉サービス事業に従事されている皆様が、働きやすい環境になるのは本当に喜ばしい事だと思います。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

障がい福祉事業開業や運営のご相談

大阪府内の障がい福祉事業に関するご相談は、お電話・メールにて承っております。

メールは24時間承っておりますが、返信に2営業日ほど頂く場合がございます。

お電話でのお問い合わせ

「ホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日9:00 - 18:00(土日祝予約制)
メールでのお問い合わせ

    ご希望の連絡先 (必須)
    メールに返信電話に連絡どちらでも可

    ページトップへ戻る