令和3年度の報酬改定で、放課後等デイサービス・児童発達支援は多くの変更がありました。
もう既に事業を運営されている事業所様は、「現在の人員配置が適切であるのか。」「今後どのように運営していけば良いのか。」「これから従業員を雇う場合は、どのような事を気を付けるべきなのか。」この様なことでお悩みなのではないでしょうか?
今回は、令和3年度の報酬改定で放課後等デイサービス・児童発達支援の変更の概要をご説明させていただこうと思います。
放課後等デイサービス
〇区分1、区分2の廃止
令和2年3月までは、一定の指標該当児童の人数が5割以上であれば区分1、5割未満であれば区分2というように、報酬が2段階設定されていましたが、令和3年度(令和3年4月1日)からは、この区分が廃止されました。
ただし、サービス提供時間が3時間以上なのか、未満なのかという区分1と区分2というのは令和3年度も残っています。
令和2年度まで(令和3年3月31日まで) | 令和3年度から(令和3年4月1日から) |
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〇原則、30分以下のサービス提供は算定できない
こちらも重要な改定で、間違って算定してしまうと過誤になってしまうので注意してください。
令和3年4月から、送迎の時間を抜いて、サービスの提供時間が30分を超えないと、基本報酬を算定することが出来なくなりました。
こちらについては原則算定不可ということで、原則があるという事はもちろん例外があります。
どういう場合が例外に当たるのかというと…
- 個別支援計画に基づいていること
- 徐々に在所時間を延ばす必要性を市町村が認めた就学児であること
この場合は、例外的に30分以下のサービス提供であっても、基本報酬と加算を算定することが出来ます。
また、30分以下のサービス提供が認められている利用児童の突然の体調不良などにより、結果的に30分以下のサービス提供となった場合については、欠席時対応加算Ⅱではなく、基本報酬を算定するようにして下さい。
児童発達支援・放課後等デイサービス(共通)
〇医療的ケア児を直接評価する基本報酬を新設
従来は児童発達支援・放課後等デイサービス共に、医療的ケア児を受け入れても一般児と同じ報酬でしたが、令和3年度の報酬改定で、医療的ケア児を直接評価する基本報酬が新設されました。
医療的ケアの判定スコアの点数が高ければ看護職員をより多く配置する必要がありますが、その分報酬も高くなります。
〇加算の廃止と新設
令和3年度からは、より手厚い支援を必要とする子どもにきめ細かな支援を行うことを目的として、加算の廃止と新設が行われました。
廃止された加算
- 児童指導員等加配加算Ⅱ
- 看護職員加配加算(重心型以外)
新設された加算
- 専門的支援加算
- 個別サポート加算Ⅰ(ケアニーズの高い児童に対して)
- 個別サポート加算Ⅱ(虐待等の要保護児童等)
専門的支援加算は、児童指導員等加配加算Ⅱの代わりに新設された加算です。
専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員、※1)を常勤換算で1名以上加配することで算定することができます。
※1 児童発達支援においては、5年以上の経験のある児童指導員を配置することも可能
〇人員配置基準の見直し
専門性や質の向上に向けて、令和3年4月からは、新たに「障害福祉サービス経験者」を配置することが出来なくなりました。
令和3年3月31日までに配置されている「障害福祉サービス経験者」については、2年間の経過措置があるので、そのまま配置してもらって大丈夫ですが、新たに障害福祉サービス経験者を雇った場合は、基本配置することは出来ません。
職種は「障害福祉サービス経験者」ではなく「その他従業者」となる点に注意してください。
新たに事業所を開設される場合は、保育士と児童指導員のみの配置となるので、そちらも注意が必要です。
〇家族支援の評価の充実
家族支援の充実を図るため、従来の訪問支援特別加算を家庭連携加算に統合し、要件が見直されました。
事業所内相談支援加算については、個別に行う(Ⅰ)とグループで行う(Ⅱ)に見直しが行われました。
最後に…
今回は、令和3年度の報酬改定について簡単にお話しさせていただきました。
多くの改定がなされたため、混乱されている方も多いかと思います。
事業所の適正運営のお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。