大阪府下で新たに障がい福祉サービス事業の開業をしようと、当事務所にご相談に来られる方は「何から手を付けたら良いか分からない」とお困りの方が多くいらっしゃいます。
障がい福祉サービス事業の指定申請の手続は、事前協議の日程・本申請の予約期限・提出すべき全ての書類の提出期限が決まっているため、ゴールがしっかりと見えていないとなかなか苦労する手続きです。
当事務所に障がい福祉サービス事業開業のご相談に来られる前に、指定申請の要件や流れを簡単にご説明させていただきたいと思います。
大阪府下の指定権者について
大阪府下で障がい福祉サービスを始めようと思った場合、指定権者に指定申請書を提出して指定(許可)を受ける必要があります。
指定権者って聞きなれない言葉がいきなり出てきましたね。
指定権者とは、指定を下ろす権限を持った行政庁(大阪府知事とか大阪市長など)の事で、大阪府下では、従来は大阪府知事権限で指定を下ろしていたのですが、その権限を各市長に任せる権限委譲というものが進んでいます。
例えば、就労継続支援B型の事業所を堺市で始めようと思った場合の指定権者は、『堺市長』になり、指定申請書の提出先は堺市役所の『健康福祉局障害福祉部 障害施策推進課』になります。
また、富田林市で就労継続支援B型を始めたいと思った場合は、指定権者は『富田林市長』で、提出先は富田林市にある『南河内広域事務室 広域福祉課』に提出する必要があります。
そして更に難しいと感じてしまう要因として、同じ市で大人のサービスと子どものサービスを始めようと思った場合、指定権者が大人と子どものサービスで違う場合があることです。
例えば、箕面市で放課後等デイサービスと生活介護の多機能型で指定を受けようと考えた場合、放課後等デイサービスの指定権者は『大阪府知事』で、生活介護の指定権者は『箕面市長』となり、それぞれに指定申請の手続きをする必要があります。
大阪府下の障がい者のサービスの指定申請先
障がい者のサービス 実施地域 | 指定指導担当部署 |
---|---|
守口市
大東市 羽曳野市 門真市 摂津市 藤井寺市 四条畷市 交野市 島本町 |
大阪府 |
大阪市 | 大阪市 |
堺市 | 堺市 |
東大阪市 | 東大阪市 |
高槻市 | 高槻市 |
豊中市 | 豊中市 |
枚方市 | 枚方市 |
池田市
箕面市 豊能町 能勢町 |
箕面市健康福祉部 広域福祉課 |
茨木市 | 茨木市 |
吹田市 | 吹田市 |
寝屋川市 | 寝屋川市 |
八尾市 | 八尾市 |
松原市 | 松原市 |
柏原市 | 柏原市 |
富田林市
河内長野市 大阪狭山市 太子町 河南町 千早赤阪村 |
南河内広域事務室 広域福祉課 |
岸和田市
泉大津市 貝塚市 和泉市 高石市 忠岡町 |
岸和田広域事業者指導課 |
泉佐野市
泉南市 阪南市 熊取町 田尻町 岬町 |
泉佐野広域福祉課 |
大阪府下の障がい児のサービスの指定申請先
障がい児のサービス 実施地域 | 指定指導担当部署 |
---|---|
大阪市 | 大阪市 |
堺市 | 堺市 |
東大阪市 | 東大阪市 |
高槻市 | 高槻市 |
豊中市 | 豊中市 |
枚方市 | 枚方市 |
吹田市 | 吹田市 |
寝屋川市 | 寝屋川市 |
八尾市 | 八尾市 |
上記以外の市町村で実施する場合 | 大阪府 |
障がい福祉サービスの要件
それでは次に、簡単に通所系の障がい福祉サービスの要件を確認していきましょう。
サービス管理責任者はいますか?
障がい福祉サービス事業を開業しようと考えた時に、一番重要な人的要件がこの『サービス管理責任者』です。
サービス管理責任者は、ヘルパーや介護福祉士などの資格を持ち、サービス管理責任者研修(分野別+更新 または 基礎+実践)および相談支援従事者研修を受講済みで、障がい児者への直接支援または相談支援に従事した実務経験を有することが必要です。
ヘルパー等の資格をお持ちで無い場合は、障がい児者への直接支援または相談支援業務に従事した期間が、『8年かつ1,440日以上』の実務経験を有していること。そして、その『実務経験証明書』をお持ちであるということが重要です。
この実務経験を証明するためには、以前勤務されていた事業者から『実務経験証明書』を発行してもらう必要があります。指定権者によりますが、この実務経験証明書の原本提出が必要になる場合もありますので、その点ご注意ください。
サービス管理責任者を探す場合に注意すること
サービス管理責任者が見つからない場合は、他の要件をクリアしていても、指定は下りません。
それ程重要な要件ですので、サービス管理責任者を探す際は、次の点に注意しましょう。
・相談支援研修とサービス管理責任者研修(分野別+更新 or 基礎+実践)を受講していることを確認する。
・必要な年数分の実務経験証明書をお持ちであるか確認する。
サービス管理責任者に就任予定の方が、以前の勤務先と良好な関係ではなかった場合、実務経験証明書を発行してもらえず、指定が1か月延びてしまう事態が生じる可能性があります。
翌月に実務経験証明書を発行してもらうことが出来れば、1か月遅れで指定が下りますが、そのまま実務経験証明書が手に入らなければ、別のサービス管理責任者が見つかるまで、空家賃を払い続けることになってしまいます。
法人格はありますか?事業目的は大丈夫?
法人格について
障がい福祉サービス事業は、法人格が無いと指定を受けることが出来ません。
法人格というのは、株式会社や合同会社などのことを言います。
どの法人格でないと指定が下りないという事はないので、まだ法人を設立していない場合は、それぞれのメリット・デメリットを考えながら、どの法人にするか検討してみてください。
事業目的について
障がい福祉サービス事業を行うためには、最低でも「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく障がい福祉サービス事業」という文言が入っていないと障がい福祉サービス事業を営む事は出来ません。
また、就労継続支援A型を開業しようと思っている場合は、専ら社会福祉事業を行う法人でなければならないため、それ以外の目的が記載されていないことが要件となります。
≪よくある事例≫
- 法人を設立済みで、就労継続支援A型の開業相談を受けた際、事業目的を確認したところ、色々な目的が記載されていたため、定款目的の変更が必要となった。
- 定款目的が、正しい文言ではなかったため、変更手続きが必要になった。
障がい福祉サービス事業を開業する上で、事業目的は非常に重要ですので、その点にもご注意ください。
事業所の物件はお決まりですか?
事業所の施設要件は、各指定権者によって上乗せ規制がある場合が多く、「絶対にここでやりたい!」と思ったとしても、役所との事前協議が終わるまで、賃貸借契約を締結することはお待ちいただきたいと思います。
大阪府下の各指定権者のローカルルール
① 利用者一人当たりの広さ要件が違う
例えば、就労継続支援B型を開業しようと思った場合、利用者一人あたりに必要な広さ要件が違ってきます。
大阪府や岸和田広域は支障のない広さ、堺市は3.3㎡以上、大阪市は3.0㎡…
このように、各指定権者によって必要な広さが変わって来ます。
泉大津では少し狭い物件でも開業できますが、隣の堺市では一人当たり3.3㎡必要になるため、定員が20名の場合、訓練作業室だけで66㎡の広さを確保しないといけません。
どの市で開業するのかということは、施設要件の面でもよく考える必要があります。
② 大阪市は採光換気要件がある
大阪市で「生活介護」「自立訓練」「就労移行支援」「就労継続支援A型・B型」「宿泊型自立訓練」「児童発達支援センター(福祉型)」を開業する際には、次の各部屋で採光換気基準を満たす必要があります。
1.訓練・作業室
2.指導訓練室
3.多目的室
4.相談室
5.居室
6.遊戯室
7.静養室
この採光換気という基準は、全国でも大阪市にしか無い基準です。
③ 堺市は、入口から相談室までの通路分の広さを訓練作業室の面積から抜く
堺市で就労継続支援を開業しようとすると、一人当たり3.3㎡の広さ要件がありますが、物件が手狭だった場合、入口から相談室まで広さを抜かないとダメなので、広さ要件が足りなくなる可能性があります。
この他にも、相談室はパーティションではなく壁を入れる必要があったり、静養室が必置、トイレは2つ以上、他の企業等との共同のトイレや洗面施設は不可 等々
まだまだ指定権者それぞれの、ローカルルールは存在します。
大阪府下で障がい福祉サービス事業の開業をお考えなら、当事務所に相談してみませんか?
大阪は指定権者が多い分、それぞれ独自に進化したローカルルールが存在するため、その要件に適合した物件を確保することは容易ではありません。
隣の市に行けば指定権者が変わり、指定要件が変わってしまうということは、大阪府あるあるです。
物件を借りた後に「この物件では障がい福祉サービス事業を開業出来ない」という事態に陥らないためにも、大阪府下で障がい福祉サービス事業を開業しようとお考えの際には、当事務所にご相談されませんか?
1相談につき11,000円(税込)にて承っております。まずはメールかお電話でお問い合わせください。
当事務所の特徴
障がい福祉サービス事業専門行政書士がご対応
行政書士業務は幅が広いため、色々な専門分野に特化した行政書士が存在します。
当事務所の行政書士は障がい福祉サービス事業のサポートを専門としているため、安心してご相談いただけます。
女性ならではのきめ細やかな対応と話しやすさ
女性ならではの視点で、きめ細やかな対応を心掛けております。
障がい福祉サービスに従事される方は女性比率が高いため、同性の行政書士だからこその話しやすさがあります。
指定だけではなく、運営指導を見据えた顧問契約等による継続的なサポート
障がい福祉サービス事業は、指定がゴールではありません。
財源が税金である障がい福祉サービス事業は、運営が適切であるか、不正受給等が無いかを行政が定期的にチェックする『運営指導』というものがあります。
当事務所の行政書士は、概ね3年に一度ある運営指導に対応できるため、指定申請だけでなく、運営指導を見据えた顧問契約等による継続的なサポートが可能です。
業務内容
- 指定要件に関するアドバイス
- 現地確認(開業予定物件の同行)
- 消防署事前相談の依頼者(申請者)との同行
- 指定権者への事前協議書の作成・提出
- 指定申請書の作成・提出
- 指定後1か月間の無料相談
対応地域
大阪府 他
ご相談から指定までの流れ
- 電話かメールにてお問合せいただき、面談の日時をご予約ください。
- 面談後ご依頼いただけるようでしたら、業務委託契約書を交わしていただきます。
- 着手金として報酬総額の30%を指定口座へお振込みください。
- 物件確認や消防への相談の同行いたします。
- 事前協議書の作成・提出
- 指定申請書の作成・物件の写真撮影・本申請
- 行政の現地確認の立ち合い
- 副本と請求書を郵送させていただきます。残金のお振込みをお願いいたします。
- 指定
料金について
手続き報酬は、顧問契約前提プランと、スポットでの指定申請サポートプランがございます。
障がい福祉サービス事業は、指定時から適正な運営が出来るか否かで、その後の事業運営に大きな差が生まれます。
また、3年に一度の報酬改定で、新しい制度に対応できずに実地指導の際に多額の返金とならないためにも、当事業所へご依頼されてみませんか?
➡ 取扱業務と料金