令和7年度義務化|地域連携推進会議とは?行政書士が完全解説

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令和6年度の障害福祉サービス等報酬改定により、グループホーム(共同生活援助)の地域連携推進会議の定期開催が義務付けられました。

令和6年度は努力義務で、令和7年度から義務化となりましたので、遅くとも令和8年3月中に初回の地域連携推進会議の開催および各ホームの見学の実施が必要となります。

グループホームの適正運営のために、どのようなことを実施すれば良いのか、確認してきましょう。

 

➡ 令和6年度報酬改定 ~共同生活援助(グループホーム)の報酬改定~

 

地域連携推進会議の目的

地域連携推進会議は、事業所と地域との連携による

①利用者と地域との関係づくり、
②地域の人への事業所や利用者に関する理解の促進
③サービスの透明性・質の確保
④利用者の権利擁護

を目的としています。

グループホームは、生活の場である「居住空間」であることから、外部の目に触れる機会が少なく、構造的に閉鎖的な環境となりやすい側面があります。

そのため、地域連携推進会議を通じて第三者の視点を取り入れることは、地域社会から孤立しない運営体制を確保するとともに、提供されるサービスの質の向上や、利用者の権利擁護を図るうえで重要な取り組みとなります。

➡ 地域連携推進会議の手引き(厚生労働省)

地域連携推進会議の構成員は?

地域連携推進会議の構成員としては、「利用者」「利用者家族」「地域の関係者」「福祉に知見のある人」「経営に知見のある人」「市町村担当者」などの参加が想定されています。

このうち、「利用者」「利用者家族」「地域の関係者」については必ず選出することとされており、会議全体の構成員数は5名程度とすることが望ましいとされています。

 

なお、事業所の職員は会議の構成員には含まれず、会議の運営主体として、司会進行や説明を行う立場で参加をすることとなります。

地域連携推進会議の設置は、指定を受けた事業所単位で行うこととされています。

そのため、同一法人が複数の事業所指定を受けている場合には、それぞれの事業所ごとに地域連携推進会議を設置する必要があります。

一方で、住居の追加を行っている場合であっても、事業所番号が同一である場合には、1つの事業所として取り扱われるため、地域連携推進会議の設置も1つで差し支えありません。

また、地域連携推進会議は事業所単位で開催することから、複数の住居を設置している場合であっても、会議自体は年1回の開催で足ります。

ただし、構成員による住居見学については、当該事業所が運営するすべての住居を対象として実施する必要があります。一部の住居のみの見学では、事業所全体の運営状況を適切に確認したことにはならないため、注意が必要です。

厚生労働省(事業所向け)地域連携推進会議の概要より引用

会議の開催までの流れ

それでは、会議の開催までの流れを順番に確認していきましょう。

 

構成員の選定と就任依頼

構成員は、「利用者」「利用者の家族」「地域の関係者」を必須都市、全体で5名程度となるように選定します。

地域の関係者としては、民生委員、自治会役員、商店街関係者、近隣住民、地域で生活する障がいのある方などが想定されています。

構成員の選定にあたっては、地域とのつながりを意識し、第三者として率直な意見をいただける方へ参加を依頼することが重要です。参加依頼の際には、会議の目的や役割を事前に説明しましょう。

グループホームは、利用者の生活の場であることから、地域連携推進会議の開催や見学の際には、利用者の個人情報や生活状況に触れる可能性があります。

そのため、構成員に対しては、会議を通じて知り得た利用者の個人情報等を外部に漏らさないよう、秘密保持に関する同意を得ておくことが必要です。

 

会議の日程調整と資料作成

地域連携推進会議の開催にあたっては、構成員の都合を確認しながら日程調整を行うとともに、会議で使用する事業所の概要資料や運営状況に関する資料等を事前に作成しましょう。

資料の作成および会議での説明にあたっては、個人が特定される情報を含めないよう十分な配慮が必要です。

 

会議の開催と注意点

地域連携推進会議は、事業所等において年1回以上開催することが必要です。

会議は原則として事業所内で開催することが望ましいですが、スペース等の都合上、事業所内での開催が困難な状況も考えられます。

その際は、グループホーム外の会議室等を使用して開催することも可能です。

また、会議は対面での開催を原則としつつ、構成員の都合によりオンラインでの参加も可能となっています。ただし、会議の趣旨である住居の状況確認や地域との交流を踏まえ、すべての構成員がオンライン参加とするのではなく、対面参加の構成員がいることが必要です。

 

会議当日の基本的な進行例

①開会挨拶

事業所より開会の挨拶を行い、地域連携推進会議の目的や開催趣旨について説明します。

②出席者紹介

構成員および事業所参加者それぞれの自己紹介を行い、参加者同士が相互に理解できるように配慮します。

③会議進行

作成した事業所資料をもとに、事業所の運営状況や取組内容について説明を行います。説明はあらかじめ用意した資料に沿って進め、議題ごとに区切りを設け、構成員からの質問や意見をいただく時間を確保しましょう。

会議の議題例
・障がいについて
・近隣からの苦情等
・利用者の日常生活の様子について
・経営状況の報告
・BCPの策定状況
・虐待、事故、ヒヤリハットの報告
・支援者の様子
・利用者の意向アンケート結果 等

④閉会挨拶

出席いただいた構成員へ感謝を伝えるとともに、会議での意見や助言を今後の事業運営に活かしていく旨を説明し、引き続き事業運営への理解および協力をお願いします。

また、次回の会議や住居見学等の日程が決まっている場合には、あわせて共有を行いましょう。

 

議事録の作成と公表

地域連携推進会議の開催後は、速やかに議事録を作成する必要があります。

議事録には、事業所から行った報告内容や、構成員から出された要望・助言・意見等を記録します。議事録作成にあたっては、利用者および構成員の個人が特定される情報は記載しないことが必要です。

作成後は、内容に誤りがないか確認するため、参加した構成員へ内容確認を依頼することが望まれます。

また、作成した議事録は、公表することが求められています。

事業所のHPへの掲載、広報誌への掲載、事業所内での掲示等の方法により、多くの方が閲覧できるよう広く公表する必要があります。

そして、将来的には、情報公表システム(WAM NET)での公表が求められる可能性があります。

住居の見学について

地域連携推進会議の実施にあたっては、すべての利用者および利用者の家族に対し、会議の開催や住居見学等を通じて地域住民と顔を合わせる機会が生じることについて、事前に意向を確認することが必要です。

意向確認にあたっては、地域連携推進会議の目的や実施内容を丁寧に説明したうえで理解を得ることが重要であり、例えば「地域連携推進会議の概要資料」を用いた個別説明や、利用者・家族向けの説明機会を設ける方法などが考えられます。

なお、地域との関係づくりを望まない利用者に対して、会議への出席を求めたり、構成員による住居見学時に無理に対面の機会を設けたりすることは、本人の権利擁護および個人情報保護の観点から適切ではありません。

利用者一人ひとりの意思を尊重し、安心して生活できる環境を確保することを前提として、地域連携推進会議を実施することが求められます。

当事務所がお手伝いできること

地域連携推進会議は、事業所の運営を地域に開き、利用者の権利擁護やサービスの質の向上を図るための重要な取組として位置づけられています。

一方で、会議の準備や構成員との調整、資料作成、議事録の作成・公表など、現場の事業所職員の皆様にとっては一定の業務負担を伴う取組であることも事実です。

制度の趣旨を踏まえつつも、無理のない形で継続的に実施していくことが、地域連携推進会議を形骸化させないためには重要となります。

事業所の実情に応じて運営方法を工夫しながら、地域との関係づくりを進めていきましょう。

なお、当事務所では、地域連携推進会議の準備や運営に活用いただける各種ひな形(資料様式、議事録様式、名簿等)を作成・販売しております。(税込33,000円)

実務負担の軽減の一助としてご活用いただければ幸いです。

ご関心がございましたら、お気軽にお問合せください。

 

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